腰痛に指圧といえば、イメージ通りだと思いますが、
「腰を触らずに指圧をしても効果がある。」
と言うと意外に思われる方はいらっしゃるかもしれません。
中国の遼寧中医薬大学の王健らが、腰痛患者55例に対して指圧と運動法を行った結果を報告しました。
以下、鍼灸柔整新聞より抜粋引用↓
腰痛に対する指圧+運動法の効果
(中国鍼灸13年2期)
対象 外来患者55名
平均罹患期間4・3ヶ月
急性腰部捻挫20例 ヘルニア17例等を含む
患側下肢の蟸溝(れいこう)穴を拇指先端部で押しながら、腰をゆっくり動かしてもらう。
一日一回。10日後効果判定
結果は 臨床的治癒39例(うち一回で治癒したのは22例) 好転12例 無効4例 総有効率92.7%
引用ここまで↑
蟸溝(れいこう)穴というのはすねの内側にあります。
「蟸」とは木に穴を開ける木喰い虫です。溝はその虫のあけた穴ですね。
こんなところが腰痛に聞くなんて面白いと思いませんか?
このツボの効能はヘルニアや下腹部の痛み、おりものなどです。
なぜそんなものに効くのかといいますと、これは足の厥陰肝経という経絡の絡穴だからです。
絡穴の説明はまたの機会にするとして、肝経の経絡病というものがあってこれは腰が痛み仰向けで寝ていられなくなるという症状も現れます。
また、肝経は痛みによく効きます。肝は気を巡らせる役割があるので、気が通らなくなった事が原因で起こる痛みにはよく効きます。
蟸溝を押圧する事で肝の疏泄の働きを強め、腰椎の気滞を取るので腰椎のバランスがとれます。
押圧の反射作用で偏った筋肉の緊張が取れるので、腰椎の傾きが改善されて、骨盤の位置が正常化します。
骨盤を触るだけが骨盤矯正ではないということですね。